主任ケアマネの負担を変えたいときは、自分のケース対応、他の職員への指導、管理業務が、いつ重なるかを確かめてください。担当件数を減らす相談だけでなく、判断を誰へ戻すか、指導の時間をどう確保するかまで分けると、変更案を具体的に話せます。
記録の取り方を先に見たい方は、担当・指導・管理の重なりを確認する表へ進んでください。発生した仕事、使った時間、残った仕事、相談先を一緒に残すための記入例があります。
主任の負担を、担当件数だけで説明しない
主任研修の国要綱は、ケアマネへの助言・指導や、関係者との連絡調整、地域づくりなどを学ぶ目的を示しています。こうした仕事を担う場合は、自分の利用者への対応と同じ予定の中に、相談や打合せの時間も必要になります。
出典:厚生労働省「介護支援専門員資質向上事業の実施について」介護保険最新情報Vol.1233
同じ時間帯に仕事が重なると、予定していた記録や訪問準備を後へ回すことがあります。負担を説明する際は、担当件数とともに、中断した仕事、判断を待った時間、持ち越した仕事も示すと、分担を変える話につながります。
担当の数え方や新規引継ぎの多さを先に整理したい場合は、担当件数と体制を確認する記事が使えます。この記事では、その件数に表れにくい指導・管理との重なりを取り上げます。
主任資格を持つことと、指定居宅介護支援事業所の管理者であることも分けてください。自分が管理者かどうかによって、分担を決める相手と、本人が担う責務の確認が変わります。
指定居宅介護支援の基準は、管理者が従業者や業務状況等を一元的に管理することを定めています。本人が管理者の場合は、実務の一部を分ける相談と、管理者の責務そのものを他者へ移す話を混同しないことが必要です。
出典:厚生労働省「指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準」
一週間の記録で、重なった仕事と相談先をそろえる
| 発生場面・業務 | 本人の役割と使った時間 | 重なった仕事・残ったこと | 相談先・変更したい分担 |
|---|---|---|---|
| 月曜午前、後輩から計画の相談 | 指導担当として25分対応 | 自分の訪問準備を中断し、再開が後になった | 管理者へ、相談を受ける時間と急ぎの相談の扱いを確認 |
| 火曜午後、同僚不在中の連絡 | 受付内容の確認に15分 | その後の支援方針を誰が判断するか不明 | 管理者へ、不在時の判断担当を決められるか相談 |
| 水曜午後、勤務調整の資料づくり | 管理者として40分確認 | 個別支援の記録を持ち越した | 法人上司へ、資料の準備と管理者の確認を分けられるか相談 |
| 金曜午後、地域の会議準備 | 担当職員として30分準備 | 準備時間が予定表に入っていなかった | 所属責任者へ、通常予定へ組み込むか分担を変更するか相談 |
まず一週間ほど、困った場面が起きた日に短く記録する方法が使えます。一週間は実態をつかむための仮の区切りで、月末処理や研修などが重なる別の週もあれば、普段の週と分けて補足してください。
同じ時間に相談を受けながら記録作業をしていた場合は、その時間を二つの仕事へ重ねて足さないようにします。正確な分数が分からなければ「およそ」と明示し、時間の合計よりも、何が中断・持越しになったかを残しましょう。
相談用の記録には、利用者や職員の氏名を必要以上に書かず、業務と発生場面が分かる形にします。勤務先で管理する記録の扱いに従い、個別の支援内容が必要な話は適切な共有先で確認してください。
相談を受ける人、判断する人、作業する人を分ける
「相談は主任へ」とだけ決まっていると、助言を求められたのか、最終判断を求められたのかが曖昧になります。誰が何を求めて連絡したか、主任としてどこまで答え、どこから管理者や法人へ戻すのかを確認しましょう。
| 分ける役割 | 確認する質問 | 回答で明確にしたいこと |
|---|---|---|
| 相談の受付 | 誰が受け、急ぎかどうかを誰に確認しますか | 受付を代わる人と、支援内容を判断する人を区別する |
| 専門的な助言 | どの内容を主任に相談し、いつ話せますか | 定期相談と、その場の対応が必要な相談の経路 |
| 業務の判断 | 担当配分や優先順位を誰が決めますか | 変更を決める人、承認が必要な人、不在時の経路 |
| 作業の実行 | 決まった内容を誰が実行し、どこへ記録しますか | 助言を受けた人の担当と、主任が引き受ける作業の境界 |
| 実施後の確認 | 変更が機能したかを、誰がいつ確認しますか | 相談の放置や別の職員への負担集中も含めた見直し |
指定居宅介護支援では、事業所のケアマネに業務を担当させる規定と、補助業務の扱いが区別されています。補助者へ仕事を移す案は、実際の作業内容と必要な判断を分け、管理者や法人が制度と運用を確認してから検討してください。
出典:厚生労働省「指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準」
自分が管理者ではない主任なら、担当配分の変更は管理者へ相談し、主任だけで他の職員の仕事を増減させないようにします。自分が管理者なら、法人の承認が必要な人員・予算・勤務調整を具体化し、上司へ判断を求めます。
補助者へ任せる作業を具体化したい場合は、事務支援の担当と受渡しの確認も使えます。準備・入力・確認・差戻しを分け、専門的な判断を誰が担うかを残してから、管理者へ分担案を相談してください。

減らす・移す・時間を確保する案を相談する
分担の変更案は、減らす仕事、別の人へ移す作業、予定として確保する時間に分けると検討できます。同じ仕事を誰かへ渡すだけで解決するとは限らないため、受ける側の役割と余裕も一緒に確認してください。
| 変更の案 | 相談の具体例 | 決めるときに確認すること |
|---|---|---|
| 担当を調整する | 指導が集中する期間の引継ぎや新規配分を見直せますか | 利用者への継続対応、変更する担当、実施日と確認者 |
| 作業の準備を分ける | 会議資料の取りまとめと内容判断を分けられますか | 補助として任せる作業、主任等が確認する箇所 |
| 指導の時間を確保する | 定期的な相談時間を勤務予定に入れられますか | 急ぎの相談の経路と、予定時間に入り切らない場合の対応 |
| 不在時の経路を決める | 休暇中の連絡を、誰が受けて誰へ判断を求めますか | 受付・判断・実行の各担当と、不在が重なる日の対応 |
相談時には、「忙しいので減らしてほしい」に、記録した場面と変更案を添えます。「計画の相談が訪問準備と重なるため、相談時間の確保と急ぎの場合の経路を決めたい」と伝えれば、相手が何を決める必要があるかが分かります。
勤務体制を定め、研修機会を確保することは、指定居宅介護支援事業者の基準に含まれています。ただし、それだけで個人の相談時間や担当数が自動的に決まるわけではないため、実際の勤務予定と支援を使える場面を確認しましょう。
出典:厚生労働省「指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準」
指導の相談で訪問準備が途切れる仮想例
ここからは、相談後までを示す架空の例です。Aさんは管理者ではない主任で、後輩からその都度相談を受け、自分の訪問準備や記録を後へ回す日が続いています。
Aさんが記録を示すと、管理者は、定期相談の時間を予定表に設け、急ぎの相談は管理者へつなぐ経路を決めると回答しました。Aさんは、実施する日と、その時間に自分が予定していた仕事の調整も確認したとします。
| 管理者の回答 | Aさんが確認すること | 試した後の見方 |
|---|---|---|
| 定期相談の時間を設ける | 勤務予定のどこに入れ、その間の仕事をどう調整するか | 相談時間を確保できたか、記録の持越しがどう変わったか |
| 急ぎの相談は管理者へつなぐ | 管理者が不在の場合の経路はあるか | 相談が止まったり、Aさんへ戻り続けたりしないか |
| 次の面談で見直す | 誰が記録を持ち寄り、変更継続を決めるか | Aさんと後輩の両方が相談・業務を続けられるか |
実際に相談時間が確保され、必要な相談も続けられるなら、Aさんは管理者と分担を継続するかを話せます。時間だけ決めても突発相談が全てAさんへ戻る場合は、相談の振り分けや管理者不在時の経路を再確認します。
担当数が変わらなかったとしても、予定外の中断が減ったかは別に確認できます。反対に相談を後輩が控えただけなら、負担が改善したとは言い切れないため、未解決の相談が残っていないかも管理者と点検してください。
管理者を兼ね、担当削減だけでは仕事が残る仮想例
別の架空例で、Bさんは居宅管理者とケース担当を兼ねています。担当を一部調整しても、勤務調整、職員相談、法人報告が重なる日に記録を持ち越しており、件数だけでは困っている場面を説明できません。
Bさんは、法人報告の資料準備と管理者としての確認を分けられるか、法人上司へ相談します。資料準備の担当を決められるという回答なら、任せる作業とBさんが判断・確認する箇所を明確にして、変更を試せます。
上司から「全て今までどおり」と回答され、人員や時間の調整もできない場合は、変更できなかった仕事を残します。さらに誰へ相談できるかを確かめ、現職で条件を変える余地と、次の職場で必要とする条件を分けて考えます。
この例で資料準備を分けても、管理者の責務がなくなったことにはなりません。別の職員へ作業が移った結果、その職員の担当業務に支障が出ていないかも、試行の確認に含めてください。
複数の居宅事業所の管理者を兼ねる案が出た場合は、複数事業所の勤務・移動・緊急対応の確認へ進めます。各事業所で残る職務と同時に対応が必要な場面を並べ、法人の支援と指定権者への確認内容を尋ねてください。
回答が具体的なら試行し、不明なら確認を続ける
変更に合意したら、変える業務、担当者、始める日、見直す日を短く記録します。試した後は、本人の時間だけでなく、相談の未処理、利用者対応の持越し、代替者への負担も含めて話し合いましょう。
「検討する」という回答しかない場合は、決める人と回答予定日を確認します。回答が出ないまま、自分だけで担当を減らしたり、必要な業務を止めたりする前提にはしません。
休暇中の連絡や長い勤務が負担の中心なら、休日と勤務時間を比べる記事で、勤務条件側の確認も進められます。仕事の分担と、勤務時間・休める条件の問題を分けるためです。
応募先を探す段階になったら、主任ケアマネの転職条件を確認する記事で、今回必要だった支援や権限を質問へ変えてください。管理者になるかどうかだけでなく、指導と担当をどう配分するかも伝えられます。
具体的な内定条件が出たら、ケアマネの内定後に担当と勤務条件を照合する記事で、説明された支援が本人に適用されるかを確認します。「相談できる職場」という印象だけで、今の問題が解消すると決めないようにしましょう。
日常の勤務でケアマネが一人になる職場を検討する場合は、休暇や急病時の代替体制の確認も必要です。相談できる相手と業務を引き受ける担当を分け、本人が応答できない場合の流れまで確かめてください。
地域包括で働く主任は、地域支援の時間も分けて記録する
地域包括支援センターでは、地域のケアマネへの指導・相談や、関係機関と連携する体制づくりなどを行います。包括で働く主任がこの表を使う場合は、自分の個別支援に加え、地域の相談支援や会議準備も分けて記録してください。
出典:厚生労働省「地域包括支援センターの設置運営について」令和7年7月17日改正
地域支援と事業所管理のどちらを続けたいか迷う場合は、地域包括の主任と居宅管理者を比べる記事で職務の違いを確認できます。包括の主任をセンター全体の管理者と同じ役割だと決めず、所属先の分担を確かめましょう。
負担の見直しをしても続け方が決まらないときは、ケアマネを辞めたいときの選択肢も整理できます。現職で変えたい条件と、働き方そのものを変えたい希望を、自分の記録から考えてください。
- 担当を減らせば、主任の負担は解消しますか。
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指導や管理の中断、判断待ちが残ることもあります。担当調整の前後で、どの場面に仕事が重なるかを確認し、時間確保や相談経路の変更も検討してください。
- 管理者ではない主任も、分担を変えられますか。
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変更案を管理者へ相談することはできます。誰が決める事項かを確認し、主任だけで他の職員の担当や役割を変更する前提にしないでください。
この記事の執筆範囲
企業で人事部長・経営企画部長を経験しています。介護分野では、人材紹介事業の運営・求職者対応と、介護施設向けの採用代行に携わっています。
現在は中小企業診断士事務所で、HR DDなど人材と経営に関わる支援を行っています。この記事の記入例は、書き方や確認手順を示す仮想例です。
参考資料と確認日
本文の根拠資料は2026年10月4日に確認しました。確認手順や質問例は、読者が自分の条件を整理するための編集上の提案です。
出典:厚生労働省「介護支援専門員資質向上事業の実施について」介護保険最新情報Vol.1233
出典:厚生労働省「指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準」
出典:厚生労働省「地域包括支援センターの設置運営について」令和7年7月17日改正
書き込み用の資料
手元で整理する場合は、転職判断整理シート(PDF)、勤務と兼務の確認表(PDF)、主任ケアマネの管理者受諾確認表(PDF)を使ってください。必要な記入欄に、ご自身の状況を書き込んでください。
