【2026年版】主任ケアマネになるには?研修・更新・管理者要件を解説

※本記事は2026年8月時点の制度をもとに作成しています。主任介護支援専門員研修・主任介護支援専門員更新研修の受講要件や申込方法は、都道府県によって追加要件が設定されることがあります。実際の申込みでは、登録地または受講予定地の最新募集要項をご確認ください。

この記事でわかること
  • 主任ケアマネになるための標準的な受講要件がわかる
  • 主任研修70時間以上・主任更新研修46時間以上という国の標準課程を確認できる
  • 居宅介護支援事業所の管理者要件と2027年3月31日の意味がわかる
  • 2026年法改正と主任更新研修を混同せず整理できる
  • 取得後の仕事内容・転職時の確認項目までわかる
目次

主任ケアマネはケアマネの上位資格というより役割を広げる研修制度

主任ケアマネという言葉は広く使われていますが、国家資格が一つ追加される仕組みではありません。正式には主任介護支援専門員で、一定の実務経験等を持つ介護支援専門員が、都道府県等の実施する主任介護支援専門員研修を修了することで担う役割です。

厚生労働省は主任介護支援専門員について、他の介護支援専門員への助言・指導、人材育成、地域課題の把握、社会資源の開発、地域のネットワークづくりなどを担う専門職として位置づけています。単に難しいケースを多く担当できるケアマネではなく、個別支援から一段広い視点で、事業所や地域のケアマネジメントを支えることが求められます。厚生労働省:介護支援専門員資質向上事業の実施について

そのため、主任ケアマネを取るべきかは、資格欄を増やしたいかではなく、今後どの仕事を担いたいかで考える方が適切です。居宅介護支援事業所の管理者を目指す、後輩育成を担当する、地域包括支援センター等で地域支援へ関わる、といった方向を考えている人ほど取得目的が明確になります。

主任介護支援専門員研修の標準的な受講要件

国の実施要綱では、主任介護支援専門員研修の対象者について4つの類型を示しています。ここは以前の記事で3パターンだけに整理すると抜けが生じやすい部分です。

類型国の実施要綱で示される標準的な考え方
専任の介護支援専門員として従事した期間が通算5年、60か月以上。管理者との兼務期間は算定可能
所定のケアマネジメントリーダー養成研修修了者または日本ケアマネジメント学会の認定ケアマネジャーで、専任の介護支援専門員として通算3年、36か月以上。管理者との兼務期間は算定可能
主任介護支援専門員に準ずる者として、現に地域包括支援センターへ配置されている者
介護支援専門員業務について十分な知識・経験を有し、都道府県が適当と認める者

さらに、この4類型のいずれかに該当するだけではなく、専門研修課程Ⅰ・Ⅱまたは実務経験者向け更新研修を修了していることなどが国の標準要件に含まれます。研修実施機関は提出された居宅サービス計画等を確認し、自立支援に資するケアマネジメントを実践できていることを確認する仕組みです。厚生労働省:主任介護支援専門員研修実施要綱

都道府県は国の要件に加えて、地域の実情に応じた受講要件を設定できます。推薦、実務証明、提出事例、研修受講歴などの扱いが異なることがあるため、5年働いたから受講できるはず、と自己判断しないことが重要です。

受講前に確認しておきたい書類

  • 介護支援専門員としての登録・実務期間を確認できる書類
  • 専門研修課程Ⅰ・Ⅱまたは更新研修の修了状況
  • 勤務先が発行する実務経験等の証明
  • 提出を求められるケアプラン・事例資料
  • 自治体・研修実施機関が独自に求める推薦や申込書類

実務期間のカウント方法や提出物に不明点がある場合は、募集開始後に慌てるより、前年度の募集要項を確認し、勤務先と研修実施機関へ早めに照会する方が確実です。

主任研修は国の標準課程で合計70時間以上

主任介護支援専門員研修は、国の実施要綱で合計70時間以上とされています。単なる講義中心の研修ではなく、対人援助者監督指導、個別事例を通じた指導・支援、地域援助技術、多職種協働、人材育成・業務管理などが組み込まれています。厚生労働省:主任介護支援専門員研修実施要綱

主な科目標準時間
主任介護支援専門員の役割と視点5時間
人材育成及び業務管理3時間
地域援助技術6時間
医療との連携・多職種協働6時間
対人援助者監督指導18時間
個別事例を通じた指導・支援24時間

このほか倫理、ターミナルケア、リスクマネジメント等が含まれ、合計70時間以上になります。実際の日数やオンライン開催の有無は都道府県等の実施方法によって変わります。

仕事をしながら受講する場合、時間数だけでなく、事前課題・事例準備・研修後の振り返りまで含めて負担を考える必要があります。勤務先が受講日を勤務扱いとするのか、受講料・交通費を負担するのか、担当利用者の引継ぎをどうするのかも、取得前に確認しておきたいポイントです。

主任更新研修は現行制度で46時間以上

2026年8月時点では、主任介護支援専門員研修修了証明書には5年の有効期間が設けられており、主任介護支援専門員更新研修の仕組みがあります。国の標準課程は合計46時間以上です。厚生労働省:主任介護支援専門員更新研修実施要綱

更新研修の対象者は、研修企画・講師等の経験、法定外研修への継続参加、学会発表、認定ケアマネジャー、または都道府県が十分な知識・経験を認める者など、複数の類型で整理されています。都道府県が追加要件を設けることも可能です。

したがって、主任資格を取れば5年間は何もしなくてよいという考え方ではありません。更新時に困らないよう、法定外研修や地域活動、後輩支援などをどのように積み重ねるかも含めて考える必要があります。

2026年法改正で一般ケアマネの更新制度は見直される

2026年に成立した社会福祉法等の一部を改正する法律では、介護支援専門員について、研修受講を要件とした更新の仕組みを廃止するなど、法定研修を見直すことが盛り込まれました。該当部分は公布後1年6か月以内に政令で定める日に施行される予定です。厚生労働省:社会福祉法等の一部を改正する法律の概要

ここで注意したいのは、一般の介護支援専門員証の更新制度見直しと、主任介護支援専門員更新研修の今後を同じものとして扱わないことです。2026年8月時点で主任更新研修が直ちに廃止されたわけではありません。主任更新の具体的な取扱いは、今後の省令・通知・都道府県案内を確認する必要があります。

更新制度が変わるから主任研修を待った方がよい、と一律に判断する必要もありません。現在の職場で主任配置が必要、管理者を目指す、地域包括支援センター等への異動を考えているなど、取得目的が明確であれば、現行制度に沿って受講を検討する意味があります。

居宅介護支援事業所の管理者は原則として主任ケアマネ

指定居宅介護支援事業所の管理者は、原則として主任介護支援専門員である必要があります。この管理者要件は2018年度改定で導入されており、2027年から新しく義務化される制度ではありません。

2027年3月31日は、2021年3月31日時点で主任介護支援専門員ではない者が管理者だった一部の既存事業所について、その同じ管理者が引き続き管理者を務める場合に設けられた経過措置の期限です。さらに、主任介護支援専門員の確保が著しく困難など、やむを得ない理由がある場合には例外的な取扱いもあります。厚生労働省:指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準

したがって、2027年に突然すべての居宅で主任が必要になり争奪戦になる、といった説明は制度を単純化しすぎています。転職時には、その事業所がどの経過措置・例外に該当しているのか、管理者として採用されるのか、主任配置要員として採用されるのかを確認してください。

主任ケアマネ求人の配置要件、待遇、担当件数まで詳しく見る場合は、主任ケアマネの求人・配置要件はどう変わった?転職時の確認点も参考になります。

特定事業所加算と主任ケアマネの関係

居宅介護支援の特定事業所加算では、区分ごとに主任介護支援専門員の配置が要件となります。たとえば特定事業所加算Ⅰでは、常勤かつ専従の主任介護支援専門員を2名以上配置することなどが求められます。厚生労働省:令和6年度介護報酬改定における改定事項について

ただし、主任ケアマネを採用すれば自動的に加算が取れるわけではありません。会議、研修、24時間連絡体制、困難事例への対応、地域連携など、複数の要件を満たす必要があります。

また、加算による事業所収入を主任ケアマネ1人の経済価値と同一視することも避けた方がよいでしょう。給与を相談するときは、自分が担う管理者業務、後輩育成、加算管理、地域連携、担当件数などの責任範囲を整理し、その役割に対する待遇として話す方が合理的です。

主任ケアマネを取得するメリットを3つに整理する

1.居宅介護支援の管理者候補になれる

管理者を原則主任介護支援専門員とする居宅介護支援事業所では、主任研修修了が管理者候補として重要になります。ただし、主任資格を持つだけで管理者に適任とは限りません。職員管理、苦情対応、行政対応、加算管理、業務改善など、管理者としての実務能力も別に必要です。

2.後輩支援・人材育成を正式な役割として担いやすい

主任研修にはスーパービジョン、人材育成、事例検討が多く含まれます。自分のケースを処理するだけでなく、他のケアマネが課題を整理できるよう支援する役割へ広げたい人には、研修内容と実務がつながりやすいでしょう。

3.地域包括支援センター等へキャリアを広げられる

地域包括支援センターでは、保健師等、社会福祉士等、主任介護支援専門員等を配置する仕組みがあります。地域のケアマネ支援や地域ケア会議、社会資源の把握など、個別ケアマネジメントより広い仕事を経験したい場合の選択肢になります。厚生労働省:地域包括支援センターの設置運営について

転職前に確認したい7項目

確認項目確認内容
募集背景管理者交代、主任配置、加算、人員補充のどれか
担当件数主任・管理者になった後も何件担当するか
管理者兼務管理業務へ使える時間が確保されるか
後輩支援指導対象人数、同行、事例検討の頻度
研修支援主任更新研修の勤務扱い・受講料・交通費
待遇基本給、主任手当、管理者手当、固定残業代
権限採用、人事評価、業務分担、予算にどこまで関与するか

主任ケアマネの負担は、資格の有無ではなく担当件数と役割の重なり方で大きく変わります。主任ケアマネの負担を減らす方法|担当件数・指導・更新研修の実務対策では、管理者兼務や後輩支援を含めて整理しています。

職務経歴書と面接では資格より実務を伝える

職務経歴書に主任介護支援専門員と書くだけでは、採用側は実際の役割を判断できません。後輩何人を支援したか、事例検討をどのように運営したか、困難事例でどの職種と連携したか、管理者としてどこまで業務管理を担当したかを具体的に整理します。

数値を使う場合は、担当人数、研修回数、担当件数など確認できるものだけを使います。測定していない離職率改善やケアプラン品質向上率などを作る必要はありません。

面接での志望動機、困難事例、担当件数、逆質問の準備は、ケアマネの転職面接で聞かれる質問10選|回答例と逆質問も参考になります。

主任ケアマネは取得後に何を担うかで価値が変わる

主任ケアマネは、管理者ポストへの切符でも、取得すれば年収が必ず上がる資格でもありません。取得後に管理者、人材育成、地域支援、加算運用など何を担うのかによって、実務上の価値が変わります。

受講要件を満たしているかだけでなく、70時間以上の主任研修、その後の継続研修、担当利用者との両立、勤務先の支援体制まで確認し、自分のキャリア目的に合う時期に取得してください。

主任ケアマネ取得前後のキャリア計画を作る

主任研修の受講を決める前に、取得後1〜3年で何を経験したいかを書き出しておくと、研修を資格取得だけで終わらせにくくなります。たとえば、現在は居宅ケアマネとして働いているなら、後輩の事例相談を担当する、事例検討会の運営を経験する、管理者業務の一部を引き継ぐ、地域包括支援センターとの連携機会を増やす、といった段階を考えられます。

転職を前提にする場合も、主任資格を取ってから求人を探すだけではなく、自分が希望する役割を先に決めます。管理者をしたいのか、主任として人材育成をしたいのか、地域包括支援センターへ移りたいのかで、見るべき求人は変わります。

時期確認・経験したいこと
受講前受講要件、費用、勤務扱い、取得目的を確認
研修中事例検討・指導方法を自分の職場へ置き換える
修了後1年後輩支援、会議運営、地域連携などを実務で経験
修了後2〜3年管理者・地域包括等を含め、次に担う役割を再評価
更新前研修参加歴、地域活動、指導実績、勤務先支援を確認

主任ケアマネの取得をゴールではなく、担当者から人材育成・事業所運営・地域支援へ仕事を広げる途中の工程として設計すると、取得にかかる時間と費用を判断しやすくなります。

参考にした主な公的資料

よくある質問

主任ケアマネ研修は何時間ですか?

国の標準課程では合計70時間以上です。実際の開催日数、オンラインと集合の組み合わせ、事前課題等は都道府県・研修実施機関によって異なります。

主任ケアマネは5年ごとに更新が必要ですか?

2026年8月時点では主任介護支援専門員研修修了証明書に5年の有効期間があり、主任更新研修の現行制度があります。国の標準課程は46時間以上です。今後の制度変更は厚生労働省・都道府県の最新案内を確認してください。

2027年4月から居宅の管理者は全員初めて主任必須になりますか?

いいえ。管理者を原則主任介護支援専門員とする要件はすでに導入されています。2027年3月31日は一部既存事業所への経過措置期限です。やむを得ない事情に関する例外的取扱いもあります。

主任ケアマネを取れば給料は上がりますか?

自動的には上がりません。勤務先の資格手当・管理者手当、担当件数、管理業務、人材育成等の役割によって変わります。求人では資格名だけでなく責任範囲と賃金制度を確認してください。

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この記事を書いた人

中小企業診断士。元職業紹介責任者としてケアマネジャーなど資格職の職業紹介に携わり、医療介護企業の人事責任者として採用・人事制度設計・労務管理を担当。施設長・エリアマネージャー・主任ケアマネなど、介護管理職のキャリア形成・転職・採用に関する情報を発信しています。

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