介護の転職後に話が違うと感じたら|説明・契約・勤務の差を整理する

まっく部長
中小企業診断士 元職業紹介責任者 元医療介護企業 人事責任者
公開日:

職業紹介責任者としてケアマネジャーなど資格職の職業紹介に携わり、 医療介護企業の人事責任者として採用・人事制度設計・労務管理を担当。 介護管理職の転職・採用・キャリア情報を、 公的資料と採用側・紹介側の実務経験をもとに執筆・編集しています。

入職後に「聞いていた話と違う」と感じたら、募集時、面接時、契約時、実際の勤務を分けて並べてください。いつの説明と何が違うかを示せると、会社へ確認する点と、外部の窓口へ相談したい点が具体的になります。

手元の情報を整理する場合は、説明と実際の勤務を照合する表へ進めます。夜勤の説明が食い違う架空例を使い、相違、未確認、自分の期待の違いを分ける方法を示します。

目次

条件の相違と、まだ聞けていないことを区別する

「働きやすいと聞いた」という説明と、「本人は日勤のみで勤務する」という具体的な説明では、確認する内容が違います。感想も困りごとの出発点として残しつつ、勤務先、担当業務、時間、給与など、説明と実際を照合できる項目へ分けましょう。

厚生労働省のQ&Aは、求人条件と面接説明が違う場合に、違いが生じた理由を確認するよう案内しています。求人の記載が直ちに全て契約内容になるとは限りませんが、求人条件に意味がないと考えてよいわけでもありません。

出典:厚生労働省・求人条件と採用説明が異なる場合のQ&A

契約時の通知書や契約書だけを見て、募集や面接で何を説明されたかを消さないでください。後から条件変更の説明があったのか、本人が何に合意したのかは、日付の順に経緯を整理して確認します。

受諾前に整理した資料がある方は、施設長の内定後に募集・面接・最終条件を照合する方法も確認できます。入職後は、その三つに実際の勤務を加え、条件が同じ項目でどう変わったかを見ます。

話が違うと感じたら説明と実際を分ける。1 四つの時点:募集・面接・契約・実勤務を並べ相違・未確認・自分の期待を区別。2 具体的に聞く:本人の条件と違う理由を確認修正や支援は実施後も確かめる。3 必要なら相談:資料や社内回答がそろうのを待たず公的窓口に相談できる

説明と実際の勤務を照合する表

ここからは、日勤の説明を受けて入職したのに勤務表に夜勤が入った、架空のケースAです。日付は全て例示用で、本人は募集資料、面接メモ、交付された条件書面、自分の勤務予定を確認しています。

時点と資料夜勤・勤務時間について分かること相違か未確認か会社へ確認する内容
募集時・9月1日閲覧の求人日勤の勤務時間を掲載。夜勤の記載を見つけられない夜勤なしと明言されたかは未確認掲載の勤務時間が本人の全勤務を示していたのか
面接時・9月8日の本人メモ採用担当から「今回は日勤でお願いする」と説明本人は日勤のみと受け止めた。期間や例外は未確認試用期間だけか、通常勤務全体か、欠員時に例外があるか
契約時・9月20日に交付された通知書始終業は9時〜18時、休憩1時間。夜勤の記載なし交付書面には夜勤の説明がない。参照する規程は未照合本人に適用する勤務条件と、他の規程・説明との関係
実際の勤務・10月1日入職後の予定10月分の本人の勤務予定に夜勤が入っている日勤の説明・交付書面との相違がある。理由は未回答入力の誤りか、勤務変更の指示か。いつ誰が説明した扱いか
ケースAの架空の完成例です。四時点を分けて相談の準備をする表であり、この記載だけで契約内容や違法性を確定しません。

この例で確かなのは、日勤として示された本人向け資料と、入職後の勤務予定がそろっていないことです。募集に夜勤が書かれていない点と、面接で日勤と言われた点、通知書の時刻は、それぞれ別の根拠として残します。

モデル労働条件通知書には、就業場所・業務、始終業時刻、休日、賃金などの項目があります。本人の書面で確認できる内容を拾い、書面だけでは分からない運用は別の質問にしてください。

出典:厚生労働省・令和8年改正対応モデル労働条件通知書

ケースAは、資料の違いを示して今回の勤務を確認する

会社への質問例は、「9月20日の通知書では9時〜18時ですが、10月の勤務予定に夜勤があります。本人に適用する勤務条件と、今回夜勤が入った理由、修正の要否を教えてください」です。

面接のメモも添えて説明する場合は、相手の発言と自分の受け止めを分けて伝えましょう。「日勤でお願いすると説明された」と「今後も夜勤はないと考えた」を分けると、何が合意され、何が未確認かを話し合えます。

会社の回答例確認を続ける内容次の行動
勤務表への入力を誤った。日勤に修正する本人の条件が日勤であること、修正担当と反映予定修正後の本人の勤務予定を確認し、説明と一致したか記録
欠員時は夜勤を依頼する運用だ本人の契約条件、例外の説明時期、合意の経緯、今回の扱い人事等へ相違を具体的に示す。必要なら回答を待たず労基署等へ相談
書面と違う理由を説明しない、又は回答が来ない今ある書面、説明日、質問・回答の経緯相違と未回答を分け、公的窓口へ相談。表の完成や社内回答を相談の条件にしない
仮想の回答に応じた相談準備です。勤務表の指示をどう扱うかを記事だけで決めず、急ぐ場合はその事情も相談先へ伝えてください。

夜勤だけでなく勤務外の連絡や現場兼務も違う場合は、夜勤・兼務・連絡当番の確認項目で、求められた行動を分けられます。夜勤の有無と、電話を待つ当番、実際の電話対応や出勤を同じ欄にまとめないようにしましょう。

ケースBは、研修の具体的な約束と期待を分ける

次は「研修が充実」と聞いたものの、想定より早く単独業務を任された架空のケースBです。本人は一か月ほど同行があると考えていましたが、面接メモには同行期間の回答が残っていません。

時点と資料説明・実際の内容分かったことと未確認次に聞くこと
募集時・9月1日の求人「研修が充実」と記載内容と期間は具体化されていない研修項目、担当者、独り立ちの確認方法
面接時・9月8日の本人メモ入職後に先輩へ相談できると説明一か月の同行は本人の想定。会社の約束として確認できない同行する業務と期間、相談できる勤務帯
契約時・9月20日の交付書面担当業務は記載。同行期間の記載は見つからない別の研修計画や説明資料があるか不明本人に適用する研修計画と責任者
実際の勤務・10月1日以後同行後、確認が必要な業務を単独で任されそうになった不足する支援は具体化できる。研修の約束との相違かは未確認単独で任せる業務、現在の習熟の確認、当日の支援担当
ケースBの架空例です。「一か月」を会社が保証した期間へ置き換えず、本人の期待として残しています。

この場合は、「研修の約束違反です」と決めつける前に、何を約束され、何が不足しているかを確認します。本人がまだ判断できない業務と必要な支援を具体化し、「この業務は確認を受けてから進めたいので、担当者と相談方法を教えてください」と伝えましょう。

会社から具体的な同行計画が示され、支援を受けられるなら、開始日と習熟を確かめる人を確認します。反対に、相談先がなく、必要な確認を受けられない状態が続くなら、責任者へ支援を求め、改善しない事情を公的窓口へ相談する材料にします。

注意|安全に関わる相談は、記録の完成を待たない

担当業務を安全に行えるか不安がある場合は、その場の上司や責任者へ状況を伝え、必要な確認・支援を求めてください。資料をそろえる作業のために、現在進行中の問題への相談を遅らせないようにします。

手元の記録を使い、守秘資料を無断で持ち出さない

整理に使うのは、本人に交付された条件書面、自分宛ての説明、適法に保有する募集資料、自分の勤務と質問のメモなどです。面接日や資料の作成日が不明なら推測せず、「日付不明」と残し、後で確認できる相手を書きます。

利用者・家族・同僚の氏名や病歴、連絡先を相談準備の表へ書き込む必要はありません。職場の勤務表や業務記録を私物端末へ無断転送するのではなく、自分に必要な部分を正式に確認する方法を会社や相談窓口へ尋ねてください。

資料がないことは、相談をあきらめる理由にはなりません。覚えている説明と確かな記録を分け、相談先に今あるものを伝えたうえで、追加で必要な資料と取得方法を確認できます。

法的な扱いは、明示された条件と事実を示して相談する

労働基準法15条2項には、同条1項に基づいて明示された労働条件が事実と異なる場合に、労働契約を即時に解除できる規定があります。ただし、この記事の表で違いが見つかったことだけで、本人のケースが該当するとは判断できません。

出典:厚生労働省・労働基準法

どの条件が明示され、どのような事実と相違したのかを、労働基準監督署などへ示して確認してください。期待と違ったという理由だけで無断欠勤や即日の退職を決めず、急ぐ事情や勤務の予定も相談時に伝えます。

厚生労働省の相談機関案内では、労働局、労働基準監督署、総合労働相談コーナーなどを確認できます。賃金・労働時間等の問題か、契約や職場での紛争かを伝え、どこへ相談するか分からない場合も案内を求めてください。

出典:厚生労働省・労働条件相談機関

ハローワークの求人票に関する相違なら、ハローワークへの申出も案内されています。求人を見た経路と資料の日付を伝え、現在の窓口・受付時間は公式案内で確かめましょう。

出典:厚生労働省・求人条件と採用説明が異なる場合のQ&A

「施設長だから残業代の対象外」といった説明が関わる場合は、管理監督者扱いと実際の勤務の確認も合わせて整理できます。肩書だけで決まると考えず、勤務や権限の事実を相談の資料へ加えてください。

説明がそろったら、改善後に働ける条件を考える

会社の回答を受けたら、相違が解消した項目、改善の予定だけがある項目、説明が一致しない項目を分けます。修正や支援が実施されたかまで確かめると、今の職場で続けるために何が残っているかが分かります。

転職も含めて働き方を考える段階では、ケアマネを続ける条件と選択肢、または施設長を続けるための条件整理を使えます。先に整理した相違と未確認を、次の職場で聞く具体的な条件へつなげてください。

過去の職場にも似た相違があった場合は、職場ごとの期待と実際を振り返る手順を使えます。資料で確かめたことと記憶による内容を分け、当初の条件と入職後の変更から、次の応募で確かめたいことを残してください。

この記事の執筆範囲

企業で人事部長・経営企画部長を経験しています。介護分野では、人材紹介事業の運営・求職者対応と、介護施設向けの採用代行に携わっています。

現在は中小企業診断士事務所で、HR DDなど人材と経営に関わる支援を行っています。この記事の記入例は、書き方や確認手順を示す仮想例です。

参考資料と確認日

本文の根拠資料は2026年10月4日に確認しました。確認手順や質問例は、読者が自分の条件を整理するための編集上の提案です。

出典:厚生労働省・求人条件と採用説明が異なる場合のQ&A

出典:厚生労働省・労働基準法

出典:厚生労働省・労働条件相談機関

出典:厚生労働省・令和8年改正対応モデル労働条件通知書

書き込み用の資料

手元で整理する場合は、転職判断整理シート(PDF)、内定条件三点照合表(PDF)を使ってください。必要な記入欄に、ご自身の状況を書き込んでください。

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