50代・60代のケアマネ転職は不利?経験を強みに変える応募戦略

まっく部長
中小企業診断士 元職業紹介責任者 元医療介護企業 人事責任者
公開日:

職業紹介責任者としてケアマネジャーなど資格職の職業紹介に携わり、 医療介護企業の人事責任者として採用・人事制度設計・労務管理を担当。 介護管理職の転職・採用・キャリア情報を、 公的資料と採用側・紹介側の実務経験をもとに執筆・編集しています。

※本記事は2026年8月11日時点の公益財団法人介護労働安定センター「令和7年度介護労働実態調査」、全国社会福祉協議会・中央福祉人材センターの求人求職統計、厚生労働省の募集・採用時の年齢制限および高年齢者雇用に関する公開資料等をもとに作成しています。個別求人の年齢条件、定年、雇用形態、契約期間は求人ごとに異なります。

この記事でわかること
  • 50代・60代だからケアマネ転職が一律に不利とは言えない理由
  • 50代と60代で確認すべき求人条件の違い
  • 定年・再雇用・有期契約の確認方法
  • ケアマネ経験者と未経験者で異なる応募戦略
  • 主任・管理者・医療連携等の経験を伝える方法
  • PC・ICTを年齢ではなく実務スキルとして整理する方法

50代・60代だから、ケアマネ転職が一律に不利とは言えません。

公益財団法人介護労働安定センターが2026年7月に公表した「令和7年度介護労働実態調査」では、介護支援専門員の平均年齢は55.1歳です。

つまり、50代という年齢だけで、ケアマネ職種の中で特別に珍しい年齢層とは言いにくい状況です。

一方、平均年齢が高いから50代・60代なら誰でも採用されやすい、という意味でもありません。

採用側から見ると、年齢そのものより、応募求人の仕事内容と本人の経験が合っているか、どの勤務条件なら安定して働けるか、主任・管理者等の役割を任せられるかといった点を確認しやすくなります。

特に60代では、経験の伝え方を考える前に、定年年齢・雇用形態・契約期間・継続雇用の仕組みと、自分が希望する働き方が合っているかを確認することが重要です。

この記事では、年齢を長所・短所へ無理に言い換えるのではなく、応募可能性・役割適合・経験の証拠・働き方適合・今後の雇用見通しの5点で転職可能性を整理します。

目次

50代・60代だからケアマネ転職が一律に不利とは言えない

50代・60代のケアマネ転職で最初に避けたいのは、「年齢が高いから無理」「人手不足だから必ず採用される」という両極端な判断です。

転職可能性は、少なくとも次の条件で変わります。

  • 居宅・施設・地域包括など勤務先種別
  • ケアマネ経験の有無
  • 主任ケアマネ・管理者経験
  • 担当件数・担当範囲
  • 医療・多職種連携
  • 勤務時間・日数
  • 訪問・運転等の業務条件
  • 定年・雇用形態

50代・60代という年齢だけを見ても、応募先との適合は判断できません。

最新データで見るケアマネの年齢と求人需要

介護支援専門員の平均年齢は55.1歳

令和7年度介護労働実態調査では、介護支援専門員2,678人の平均年齢は55.1歳でした。介護労働者全体の平均年齢49.5歳より高くなっています。

公益財団法人介護労働安定センター:令和7年度介護労働実態調査

この数字から読み取れるのは、ケアマネという職種自体が比較的年齢の高い就業者を含むということです。

ただし、現在働いている人の平均年齢と、新規転職時の採用条件は別です。平均年齢55.1歳を、そのまま採用可能年齢と考えないでください。

福祉人材センターの有効求人倍率は4.39倍

全国社会福祉協議会・中央福祉人材センターが公表する令和7年度の「福祉分野の求人求職動向」では、介護支援専門員の有効求人倍率は4.39倍です。

中央福祉人材センター:福祉分野の求人求職動向

福祉人材センターの統計上、介護支援専門員の求人需要は高い状態です。

一方、有効求人倍率4.39倍は、応募者一人に4件以上の内定が出るという意味ではありません。地域、必要資格、経験、雇用形態、勤務時間、定年等が一致しなければ応募できない求人もあります。

求人需要が高いことと、自分の希望条件で採用されやすいことは分けて考えます。

募集・採用の年齢制限は原則禁止|ただし例外もある

厚生労働省は、労働者の募集・採用について年齢制限を原則として禁止しています。

厚生労働省:募集・採用における年齢制限禁止について

そのため、企業が理由なく50歳以上不可、60歳以上不可などの年齢制限を自由に設定できるわけではありません。

ただし、定年年齢を上限として期間の定めのない労働契約の対象者を募集する場合など、例外があります。

求人票に年齢上限がある場合は、年齢欄だけで判断せず、定年、雇用形態、契約期間とセットで確認してください。

50代のケアマネ転職で確認すること

50代では、年齢をどう若く見せるかより、これまでの経験と求人の役割が合っているかを確認することが重要です。

確認項目見る内容
勤務先経験居宅・施設・地域包括等
担当経験担当件数、要介護・予防、給付管理、認定調査等
連携経験医療、多職種、行政、地域包括等
役職主任ケアマネ、管理者、リーダー等
改善・育成新人OJT、ケース相談、業務改善等
実務スキル介護ソフト、PC、ICT、訪問・運転等
勤務条件時間、休日、勤務地、兼務

50代だから年齢を弱点として弁明するのではなく、何を任せられるケアマネなのかを具体化します。

60代のケアマネ転職では定年・契約条件を先に確認する

60代では、経験・役割適合に加えて、雇用制度との適合を早い段階で確認します。

  • 定年年齢
  • 再雇用制度
  • 正社員・契約社員・パート等の雇用形態
  • 有期契約の場合の契約期間
  • 更新基準・更新上限
  • 60歳以降の給与変更
  • 勤務日数・勤務時間
  • 本人が希望する就業期間

高年齢者雇用安定法の枠組みでは、定年を65歳未満としている事業主に対して65歳までの雇用確保措置が求められ、70歳までの就業機会確保は努力義務とされています。

ただし、これは60代の外部応募者をすべて新規採用する義務ではありません。また、70歳まで正社員として雇用する義務でもありません。

現在の会社で定年後に継続雇用されることと、60代で別法人へ新規転職することは分けて考えてください。

現在の求人には年齢不問・60代歓迎・定年上限の求人が混在する

現在公開されているケアマネ求人を確認すると、年齢条件は一様ではありません。

  • 年齢不問
  • 60歳以上応募歓迎
  • 65歳以上応募歓迎
  • 高年齢層の応募を歓迎する求人
  • 定年65歳を理由に64歳以下を募集
  • 定年60歳を理由に59歳以下を募集

など、求人ごとに条件が異なります。

したがって、ケアマネ求人は全部年齢不問、60代なら必ず応募できる、70代でも一般的に正社員で働けると一般化することはできません。

求人サイトの「50代活躍」「60代活躍」という検索条件も参考にはなりますが、正式な応募年齢、定年、雇用形態、仕事内容は個別求人で確認してください。

経験者と未経験者では応募戦略が違う

ケアマネ経験者の50代・60代

すでにケアマネ経験がある場合は、年齢よりも実際に何を担当してきたかを整理します。

  • 居宅・施設・地域包括の勤務経験
  • 担当件数・担当範囲
  • アセスメント・ケアプラン
  • 給付管理・認定調査
  • 医療・多職種連携
  • 入退院支援
  • 複雑な調整を要するケースへの対応
  • 新人・後輩支援
  • 主任ケアマネ・管理者経験
  • 業務改善・標準化

何年働いたかだけではなく、応募先の求人で必要な役割と接点がある経験を優先して書きます。

初めてケアマネになる50代・60代

未経験の場合は、ケアマネ経験があるように見せるのではなく、基礎資格で培った経験と、これから習得するケアマネ業務を分けます。

  • 介護福祉士としての利用者支援
  • 家族対応
  • 多職種連携
  • サービス担当者会議への参加
  • リーダー・新人育成
  • 相談援助

等があれば、ケアマネ業務へつながる経験として整理できます。

応募先では、未経験可、OJT、同行、主任ケアマネの配置、複数ケアマネ体制、担当件数の立ち上げ方などを確認します。

50代・60代だから人生経験が豊富で未経験でも有利、とは考えません。 本人が実際に持つ経験を使います。

年齢ではなく採用可能性を5項目で確認する

50代・60代の転職では、年齢だけを見て悩むより、次の5項目へ分解すると判断しやすくなります。

確認項目見る内容
1.応募可能性年齢条件、定年、必要資格、雇用形態
2.役割適合居宅・施設・包括、主任・管理者、未経験可等
3.経験の証拠担当範囲、連携、改善、指導、運営
4.働き方適合勤務時間、日数、訪問、運転、兼務、緊急対応
5.今後の雇用見通し定年、再雇用、契約更新、希望する就業期間

50代では1~4を中心に、60代では5をより早く確認します。

50代・60代で強みになるのは年齢ではなく具体的な経験

年齢を強みに変えるという言い方は便利ですが、50代だから落ち着いている、60代だから信頼される、と年齢属性だけで説明する必要はありません。

強みにできるのは、本人が実際に積み上げた経験です。

経験領域伝えられる内容
ケアマネ実務担当件数、給付、認定調査、医療連携、家族支援等
主任ケアマネ新人OJT、同行、ケース相談、事例検討、研修等
管理者業務分担、職員支援、運営、行政対応等
基礎資格介護福祉士、社会福祉士、看護師等での実務
改善経験記録、情報共有、ケース会議、ICT等の改善

長く働いたこと自体ではなく、その期間に何を担当し、何ができるようになったかを整理します。

PC・ICTは年齢で決めつけず必要水準を確認する

ケアマネ業務では、事業所によって介護ソフト、給付管理システム、Word・Excel、タブレット、オンライン会議、電子申請等を使います。

50代・60代だからPCが苦手と決めつける必要はありません。

応募時には、実際に使えるものを具体的に整理します。

  • 使用経験のある介護ソフト
  • Wordでの文書作成
  • Excelでの入力・表作成
  • タブレット・スマートフォン
  • オンライン会議
  • 電子申請・クラウドツール

苦手な操作がある場合も、応募求人で必要な水準を確認し、必要な範囲を事前に練習すればよい話です。

給与希望は年齢相応ではなく役割と求人条件で考える

50代・60代では職歴が長く、現職給与が上がっている場合があります。そのため、転職で給与が下がる可能性を気にする人もいるでしょう。

ただし、給与希望を「50代だからこのくらい」「60代だからこのくらい」と年齢で決めるのは適切ではありません。

一般ケアマネ、主任ケアマネ、管理者、居宅、施設、包括、正社員、有期契約等、応募する役割と求人の提示条件を確認します。

主任・管理者経験がある場合も、その求人が一般ケアマネを募集しているなら、前職の役職・給与がそのまま評価されるとは限りません。

年収・給与条件は、基本給、資格手当、役職手当、固定残業、賞与、契約更新後の条件まで分けて確認してください。

職務経歴書では年齢を弁明しない

50代・60代の職務経歴書で、年齢は高いですが、若い人には負けません、体力には自信があります、といった弁明を最初に書く必要はありません。

採用側が判断しやすいのは、年齢への自己評価ではなく、実際の経験です。

  • どこで働いたか
  • 何件・何人を担当したか
  • どのような連携を行ったか
  • 何を改善したか
  • 主任・管理者として何を担ったか

を具体化します。

職務経歴書の整理方法は、ケアマネの職務経歴書の書き方|担当件数・連携・改善経験を伝えるで詳しく解説しています。

志望動機は年齢の弁明ではなく応募先との接点を書く

志望動機でも、50代ですが長く働きます、60代ですが頑張ります、と年齢自体を中心にする必要はありません。

志望動機で伝えるのは、今回の転職で何を変えたいのか、なぜその応募先なのか、どの経験を活かせるのか、入職後に何を担いたいのかです。

60代で勤務可能期間や雇用形態について確認された場合は、希望する就業期間や勤務条件を事実として説明します。

志望動機の作り方は、ケアマネの志望動機の書き方|採用側が確認するポイントと例文を参照してください。

面接では年齢ではなく働き方・役割を説明できるようにする

50代・60代だから特別な質問が必ず出るわけではありません。

ただし、応募条件との関係で次の内容は説明できるようにしておきます。

  • これまでのケアマネ経験
  • 転職理由
  • なぜ居宅・施設・包括を選ぶのか
  • PC・介護ソフトの使用経験
  • 訪問・運転等の対応可否
  • 勤務時間・日数
  • 主任・管理者経験
  • 希望する役割
  • 希望する給与・雇用形態
  • 今後の働き方

年齢に関する質問が出ても、不必要に防御的にならず、仕事・勤務条件・経験へ戻して答えます。

一般的なケアマネ面接の準備は、ケアマネの転職面接で聞かれる質問10選|回答例と逆質問で整理しています。

50代・60代が求人票で確認したいチェックリスト

求人確認チェック
  • 応募年齢・年齢条件を確認した
  • 年齢上限がある場合、その理由を確認した
  • 定年年齢を確認した
  • 60代なら再雇用・契約更新を確認した
  • 正社員・契約社員・パート等の雇用形態を確認した
  • 有期契約なら契約期間・更新基準・更新上限を確認した
  • 居宅・施設・包括のどの求人か確認した
  • 一般ケアマネ・主任・管理者のどの役割か確認した
  • 担当件数・兼務を確認した
  • 未経験者ならOJT・同行・相談体制を確認した
  • 必要なPC・ICTスキルを確認した
  • 訪問・運転等の必要業務を確認した
  • 勤務時間・勤務日数を確認した
  • 給与・手当を確認した
  • 自分の経験と求人の役割が合うか確認した

50代・60代で転職先を選ぶ4つの方向

1.今と同じ勤務先種別へ転職する

居宅から居宅、施設から施設など、これまでの経験を最も直接活かしやすい転職です。

2.居宅・施設・包括を変える

ケアマネを続けながら働き方を変えたい場合です。今の負担原因が勤務先種別にあるなら、比較する価値があります。

3.主任ケアマネ・管理者を目指す

後輩支援、ケース相談、事業所運営等の経験がある場合は、主任ケアマネ・管理者求人も選択肢です。

役職名や資格だけではなく、実際の指導・運営経験が応募求人と合うか確認します。

4.勤務条件を変える

正社員だけに限定せず、本人の希望に応じて有期契約、短時間勤務等を比較する方法もあります。

特に60代では、雇用形態の名称だけでなく、契約期間、更新、給与、勤務日数を確認します。

転職する前に「年齢」が本当の問題か確認する

50代・60代で転職に不安を感じると、年齢だけが問題だと思いやすくなります。

しかし、実際には現在の担当件数、給与、上司、勤務先種別、兼務等を変えたいだけの場合もあります。

そもそも転職が必要なのか、法人内異動や業務調整で解決できるのかは、ケアマネを辞めたいときの選択肢|働き方の変更・異動・転職を整理するで先に整理できます。

よくある質問

50代のケアマネ転職は遅いですか?

年齢だけで遅いとは言えません。令和7年度介護労働実態調査では介護支援専門員の平均年齢は55.1歳です。ただし、平均年齢が高いことは採用保証ではありません。求人の役割、経験、勤務条件との適合を確認してください。

60代でも正社員ケアマネになれますか?

60代応募が可能な正社員求人はありますが、すべての求人が対象ではありません。定年、応募年齢、雇用形態、契約期間、再雇用制度を個別に確認してください。

65歳を超えてケアマネとして働けますか?

65歳以上の応募を受け付ける求人や継続雇用制度はありますが、法人ごとに条件は異なります。高年齢者雇用制度があることと、65歳以上の外部応募者をすべて新規採用することは別です。個別求人の定年・雇用形態を確認してください。

未経験の50代・60代でもケアマネへ転職できますか?

未経験可の求人はありますが、年齢だけで可否は決まりません。介護福祉士等の基礎資格で培った利用者支援、家族対応、多職種連携等を整理し、応募先のOJT・同行・相談体制を確認してください。

PCが苦手だとケアマネ転職で不利ですか?

求人で必要なPC・ICT操作をこなせるかは実務上の確認事項ですが、年齢だけで判断されるものではありません。応募先が使う介護ソフトや必要なWord・Excel等の水準を確認し、必要な操作を準備してください。

主任ケアマネ資格は50代・60代の転職で役立ちますか?

主任介護支援専門員を求める求人では資格要件として重要です。ただし、資格だけで後輩指導・事業所運営の経験があることにはなりません。求人が期待する役割と、実際の指導・運営経験を分けて伝えてください。

ケアマネは何歳まで働けますか?

ケアマネ資格だけで一律の就業上限年齢が決まるわけではありません。実際に何歳まで働けるかは、勤務先の定年・継続雇用・雇用形態、本人の希望する働き方、求人条件によって異なります。

求人倍率が高ければ50代・60代でも転職しやすいですか?

求人需要の高さは参考になりますが、採用可能性を保証するものではありません。地域、定年、資格、経験、勤務時間、雇用形態等が自分の希望と一致する求人がどれだけあるかを確認してください。

まとめ|年齢ではなく求人条件と経験の適合を確認する

50代・60代だから、ケアマネ転職が一律に不利とは言えません。

令和7年度介護労働実態調査では介護支援専門員の平均年齢は55.1歳で、福祉人材センター統計でも介護支援専門員の求人需要は高い状態です。

ただし、平均年齢や求人倍率だけで採用可能性を判断することはできません。

50代では、経験・役割・働き方の適合を中心に確認します。

60代では、それに加えて定年・雇用形態・契約期間・更新条件を早い段階で確認してください。

経験を強みに変えるとは、50代・60代という年齢を無理に褒めることではありません。担当経験、医療・多職種連携、主任ケアマネ、後輩支援、管理者等、実際に積み上げた経験を応募求人の役割へつなぐことです。

転職を決めたら、まずケアマネの職務経歴書の書き方で経験を整理し、ケアマネの志望動機の書き方で応募先との接点を作ったうえで、ケアマネの転職面接で聞かれる質問10選へ進んでください。

参考にした主な資料

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