介護福祉士からケアマネになるには?受験要件・実務研修・登録までの流れ

※本記事は2026年8月12日時点の厚生労働省、東京都福祉保健財団、都道府県の介護支援専門員実務研修受講試験に関する公式資料をもとに作成しています。受験申込期間、受験料、研修日程・費用、登録手続等は都道府県や年度によって異なるため、受験年度の公式要項を必ず確認してください。

最初に結論

介護福祉士からケアマネを目指す場合、基本となる受験資格は、介護福祉士の資格登録日以降に、対象となる業務へ5年以上かつ900日以上従事することです。

ただし、5年経過すればその時点でケアマネとして働けるわけではありません。受験資格を満たした後、介護支援専門員実務研修受講試験に合格し、87時間以上の実務研修を修了し、登録手続を行う必要があります。

特に間違えやすいのは、介護福祉士になる前の介護経験も5年へ含める、5年か900日のどちらか一方でよい、試験に合格すればすぐケアマネになれるという理解です。

この記事では、介護福祉士の資格登録日から、実際に介護支援専門員として業務へ進むまでを制度の順番どおりに整理します。

目次

介護福祉士からケアマネになる流れ|最短5年は受験資格まで

介護福祉士からケアマネを目指すとき、「最短5年」という説明を見かけることがあります。

ここでいう5年は、介護支援専門員実務研修受講試験の受験資格へ最短で到達できる実務経験期間を意味します。

5年が経過した時点で、自動的に介護支援専門員として登録されるわけではありません。

段階必要なこと主な注意点
1介護福祉士の資格登録日を確認勤務開始日ではなく資格登録日が重要
2登録後の仕事が対象業務か確認直接的な対人援助業務等が対象
35年以上かつ900日以上両方を満たす
4介護支援専門員実務研修受講試験に合格原則年1回実施
5介護支援専門員実務研修を修了現行カリキュラムは合計87時間以上
6介護支援専門員の登録申請実務研修修了後3か月以内
7現行制度では介護支援専門員証の交付を受ける2026年公布法により将来制度変更予定

したがって、記事や広告で「介護福祉士から最短5年でケアマネ」と書かれている場合は、5年で受験資格に到達するという意味なのか、実際に業務開始できる時点まで含めた話なのかを分けて読む必要があります。

まず介護福祉士の資格登録日を確認する

介護福祉士ルートで最初に確認したいのは、介護福祉士として働き始めた時期ではなく、資格の登録日です。

2026年度の東京都介護支援専門員実務研修受講試験の案内でも、国家資格等に基づく業務については、資格登録日以降の実務経験を確認する考え方が示されています。

東京都福祉保健財団:令和8年度東京都介護支援専門員実務研修受講試験

たとえば、介護職として7年間働いていても、介護福祉士の資格登録から3年しか経っていない場合、介護福祉士資格に基づく受験ルートとして7年間すべてをそのまま算入するわけではありません。

受験時期を考える前に、介護福祉士登録証等で登録日を確認してください。

実務経験は5年以上かつ900日以上

介護支援専門員実務研修受講試験の対象者について、厚生労働省の試験実施通知では、対象業務の期間が通算5年以上であり、かつ従事日数900日以上とされています。

厚生労働省:介護支援専門員実務研修受講試験の実施について

受験資格3点確認
  1. 起算日:介護福祉士の資格登録日以降か
  2. 業務:資格に基づく対象業務へ従事しているか
  3. :5年以上かつ900日以上を両方満たすか

登録前の介護経験は原則として介護福祉士ルートの対象期間に入れない

介護福祉士になる前に介護職として働いていた期間が長くても、介護福祉士資格に基づく業務として実務経験を証明する場合は、資格登録日以降の期間を確認します。

登録前の期間を含めて「介護職歴が5年を超えたから受験できる」と判断しないようにしてください。

資格を持っているだけでなく対象業務へ従事する必要がある

介護福祉士資格を持っていても、その期間の仕事内容が何でも受験実務経験になるわけではありません。

介護福祉士等の資格に基づく業務では、要援護者への直接的な対人援助業務が本来業務として明確に位置付けられている期間を確認します。

教育、研究、営業、事務など、直接的な対人援助を本来業務としない期間は、介護福祉士資格を保有していても一律に算入できると考えないでください。

パート・非常勤でも対象になり得る

対象業務に従事していれば、正社員でなければ受験できないというルールではありません。

厚生労働省の試験実施通知では、実務経験期間の日換算について、1日の勤務時間が短い場合も1日勤務したものとみなす考え方が示されています。

ただし、900日の計算は実際に対象業務へ従事した日数を証明する必要があります。

複数事業所の重複期間は二重計上できない

複数の事業所を掛け持ちしている場合でも、同じ暦期間を5年の期間として二重に足すことはできません。

また、同じ日に複数事業所で対象業務へ従事しても、従事日数を2日として数えるわけではありません。

転職歴や複数勤務がある人は、各勤務先の在籍期間・対象業務・従事日数を分けて確認してください。

数えられる経験・注意が必要な経験を整理する

状況基本的な考え方
介護福祉士登録後に介護職として直接介護対象になり得る
パート・非常勤で対象業務勤務形態だけを理由に対象外とはしない
短時間勤務日対象業務へ従事した日として1日算定する考え方
介護福祉士登録前の介護職経験介護福祉士資格ルートでは起算日に注意
教育・研修担当のみの期間直接的な対人援助業務か確認が必要
営業・事務のみの期間対象業務として一律算入しない
複数事業所の同一期間期間を二重計上しない
1日に複数事業所で勤務従事日数を2日とは数えない

実務経験の特殊なケースや証明書の記載方法は判断が分かれやすいため、受験する都道府県の最新要項と問い合わせ窓口で確認してください。

介護福祉士からケアマネになる7ステップ

STEP1|介護福祉士の資格登録日を確認する

まず登録日を確認し、受験資格の実務経験をいつから数えるのか整理します。

STEP2|登録後の仕事内容が対象業務か確認する

介護施設で勤務しているという施設名だけではなく、実際にどの業務へ従事しているかを確認します。

STEP3|5年以上かつ900日以上を満たす

期間・日数の両方を満たす必要があります。転職歴がある場合は複数勤務先の証明も見越して整理します。

STEP4|介護支援専門員実務研修受講試験を受ける

試験は都道府県が実施します。受験地、申込期間、受験料、必要書類は年度・都道府県の公式要項を確認してください。

STEP5|試験合格後に実務研修を受ける

試験に合格すると、介護支援専門員実務研修へ進みます。現行の実務研修カリキュラムは合計87時間以上です。

STEP6|実務研修修了後3か月以内に登録申請する

介護保険法施行規則では、実務研修修了日から3か月を経過する日までに登録申請書を提出することとされています。

STEP7|現行制度では介護支援専門員証の交付を受ける

2026年8月12日時点では、介護支援専門員として業務へ従事する現行ルートで介護支援専門員証の交付が関係します。

ただし、2026年6月に更新制廃止を含む改正法が公布されており、今後制度が変わります。詳細は後述します。

2026年度ケアマネ試験|申込期間・費用は都道府県ごとに確認する

2026年度の更新情報

2026年度(第29回)の介護支援専門員実務研修受講試験は、2026年10月11日に実施予定です。東京都では6月1日~6月30日が申込期間で、2026年8月12日時点では受付を終了しています。次年度の申込時期は受験地の都道府県・指定試験実施機関の案内を確認してください。

試験日は全国一斉でも、申込期間や受験料等は都道府県で異なります。

項目全国共通と考えないもの
受験申込申込期間・提出方法
費用受験手数料・払込手数料
試験会場
実務研修日程・実施方法・受講料
資格手続登録・証交付等の手数料

たとえば2026年度は、東京都と大阪府でも受験料や申込期間が同一ではありません。

受験料や申込期限を民間記事だけで確認せず、受験年度の公式要項を使用してください。

試験に合格してもすぐケアマネとして働けない

試験の正式名称は、介護支援専門員実務研修受講試験です。

名前のとおり、合格は実務研修へ進むための段階です。

試験合格=介護支援専門員として業務開始ではありません。

厚生労働省の資料でも、介護支援専門員実務研修は、試験合格者に介護支援専門員として必要な専門知識・技術を修得させるために行うものとされています。

介護支援専門員実務研修は87時間以上

厚生労働省の介護支援専門員資質向上事業ガイドラインでは、実務研修の科目・時間数を合計87時間以上としています。

厚生労働省:介護支援専門員資質向上事業ガイドライン

研修では、介護保険制度、ケアマネジメント、相談援助、アセスメント、居宅サービス計画等、多職種連携、倫理などを学びます。

介護福祉士からケアマネへ移る人にとって特に重要なのが、研修目的に示される直接援助職から相談援助職への視座の転換です。

介護福祉士として直接ケアの経験が長くても、ケアマネでは本人・家族の意向を整理し、サービスを調整し、ケアプランを作り、モニタリングする役割が加わります。

介護福祉士とケアマネを上下関係で考えるのではなく、専門職として担う役割が変わると考えた方が適切です。

実務研修修了後は3か月以内に登録申請する

試験合格後の手続で見落としたくないのが、登録申請の期限です。

介護保険法施行規則第113条の7では、介護支援専門員の登録を受けようとする人は、介護支援専門員実務研修を修了した日から3か月を経過する日までに登録申請書を提出することとされています。

厚生労働省:ケアマネジメントに係る現状・課題

つまり、合格した後に研修を修了し、いつでも好きな時期に登録すればよいという制度ではありません。

実務研修の修了時に、受講した都道府県の登録案内を確認してください。

2026年6月に更新制廃止法が公布|ただし現在はまだ施行前

ケアマネ制度は現在、大きな移行期にあります。

2026年6月25日に公布された「社会福祉法等の一部を改正する法律」では、介護支援専門員について、介護支援専門員証の有効期間を廃止し、その交付または有効期間の更新を受けるために受講することとされている研修を廃止する改正が盛り込まれました。

厚生労働省:社会福祉法等の一部を改正する法律の公布について

2026年8月12日時点状況
現在介護支援専門員証の有効期間・更新制度を含む現行制度が続いている
公布済みの改正証の有効期間廃止、交付・更新のための研修廃止等
施行当該改正部分は公布から1年6か月を超えない範囲で政令で定める日

したがって、2026年8月時点で「もう更新は不要になった」と説明するのは早すぎます。

一方で、将来も現在と同じ5年更新制度がそのまま続くと説明するのも適切ではありません。

なお、更新制廃止後も、資質の保持・向上のための研修制度自体は見直されます。今後の厚生労働省・都道府県の案内を確認してください。

主任ケアマネを含む研修・制度の整理は、主任ケアマネになるには?研修・更新・管理者要件を解説でも更新していきます。

実務経験証明書は受験直前ではなく早めに確認する

介護福祉士からケアマネを目指す人にとって、試験勉強と同じくらい重要なのが実務経験の確認です。

特に転職経験がある場合は、現在の勤務先だけで5年・900日を満たさず、過去の勤務先から実務経験証明書を取得する必要が生じることがあります。

受験前年から確認したいこと
  • 介護福祉士の資格登録日
  • 各勤務先の在籍期間
  • 対象業務へ従事した期間
  • 従事日数
  • 過去勤務先の証明書発行窓口
  • 退職・統合・閉鎖した勤務先の扱い

申込直前になって、登録日前の期間を含めていた、900日に足りなかった、過去勤務先の証明が間に合わないと分かる事態を避けるためです。

見込受験は当年度の受験要項を確認する

受験申込時点では実務経験等が不足していても、試験日前後までに条件を満たす見込みがある人について、見込書類を認める手続が設けられている年度・実施機関があります。

たとえば2026年度東京都では、見込で受験する場合の確定書類提出期限が受験要項で定められています。

ただし、見込受験の対象、確定書類、提出期限は年度・実施機関の要項を確認してください。

介護福祉士としての経験はケアマネでどう活きる?

介護福祉士として培った経験は、ケアマネジメントを考えるうえで土台になります。

  • 利用者の日常生活の理解
  • ADLの変化
  • 認知症ケア
  • 家族対応
  • 看護・リハビリ等との多職種連携
  • サービス担当者会議への参加
  • 看取り
  • 事故・リスクへの対応
  • 介護現場で実行可能な支援の理解

一方、長い介護経験があれば自動的にケアマネジメントができるわけではありません。

実務研修では、相談援助、アセスメント、ケアプラン、モニタリング、給付管理、多職種調整等、新しい役割を体系的に学びます。

資格取得後の働き方は居宅・施設・地域包括で違う

介護支援専門員の資格を取得しても、働き方は一つではありません。

勤務先仕事の特徴として確認したいこと
居宅介護支援事業所在宅訪問、外部サービス調整、給付管理、地域連携等
介護施設施設ケアプラン、家族対応、施設内多職種連携、介護業務等の兼務
地域包括支援センター介護予防、相談、地域支援、ケアマネ支援等

資格を取れば夜勤が必ずなくなる、給与が必ず上がる、身体的な負担が必ず小さくなるとは限りません。

勤務先別の仕事内容は、「ケアマネの仕事内容を勤務先別に比較|居宅・施設・地域包括の違い」で詳しく比較します。

介護福祉士からケアマネを目指すときのよくある間違い7つ

  1. 介護福祉士取得前の経験もすべて5年へ含める
    介護福祉士資格に基づくルートでは登録日を確認します。
  2. 5年または900日のどちらかでよいと考える
    基本は5年以上かつ900日以上です。
  3. 介護施設で働けば仕事内容を問わず対象と考える
    対象業務かを確認します。
  4. パート・非常勤は受験できないと考える
    雇用形態だけで対象外になるわけではありません。
  5. 複数事業所の重複期間を二重計上する
    同じ期間・同じ日の重複計上に注意します。
  6. 試験合格でそのままケアマネとして働けると考える
    実務研修・登録等が必要です。
  7. 今後も現在と同じ5年更新制が続くと考える
    2026年6月に更新制廃止を含む改正法が公布済みですが、2026年8月時点では未施行です。

よくある質問

介護福祉士になる前の介護職経験も5年に含められますか?

介護福祉士資格に基づく実務経験で受験資格を確認する場合は、介護福祉士の資格登録日以降の対象業務期間を確認します。登録日前の経験をそのまま介護福祉士ルートの5年へ含めないでください。別の受験資格区分に該当する可能性がある場合は当年度の受験要項で確認してください。

5年か900日のどちらかを満たせば受験できますか?

基本は5年以上かつ900日以上です。期間と従事日数の両方を満たす必要があります。

パート勤務でも900日の実務経験に入りますか?

対象業務へ従事していれば、正社員でないことだけを理由に対象外とはされません。厚生労働省の通知では、1日の勤務時間が短い場合も1日勤務したものとみなす考え方が示されています。実際の証明方法は受験年度の要項を確認してください。

複数の事業所で働いた期間は合算できますか?

異なる期間の対象業務は通算して確認できます。一方、同じ期間を二重に数えたり、同じ日に複数事業所で勤務したことを2日として数えたりすることはできません。各勤務先からの実務経験証明も確認してください。

ケアマネ試験に合格すればすぐ働けますか?

すぐには働けません。介護支援専門員実務研修を修了し、登録手続を行う必要があります。2026年8月12日時点の現行制度では介護支援専門員証の交付も関係します。

介護支援専門員実務研修は何時間ですか?

厚生労働省の現行ガイドラインでは、実務研修は合計87時間以上です。実施日程や受講方法は都道府県の研修実施機関で確認してください。

実務研修を修了した後、登録期限はありますか?

介護保険法施行規則では、実務研修を修了した日から3か月を経過する日までに登録申請書を提出することとされています。研修修了時の都道府県案内を確認してください。

ケアマネの更新制はもう廃止されていますか?

2026年8月12日時点では、更新制廃止を含む改正法は公布済みですが、該当部分はまだ施行前です。介護支援専門員証の有効期間廃止等は、公布日から1年6か月を超えない範囲で政令により定められる日に施行されます。現在の手続は現行制度に従ってください。

まとめ|介護福祉士登録日・対象業務・5年900日から確認する

介護福祉士からケアマネを目指すときは、まず試験勉強より前に、自分がいつ受験資格を満たすかを正確に確認します。

基本となる確認は次の3点です。

  • 介護福祉士の資格登録日以降か
  • 対象となる業務へ従事しているか
  • 5年以上かつ900日以上を両方満たしているか

そして、受験資格を満たした後も、試験合格、87時間以上の実務研修、研修修了後3か月以内の登録申請、現行制度での介護支援専門員証の交付という手続があります。

また、2026年6月には介護支援専門員証の有効期間・更新制を見直す改正法が公布されましたが、2026年8月12日時点ではまだ施行前です。

「5年経てばケアマネ」ではなく、登録日から業務開始までを一つの制度ルートとして確認することが重要です。

ケアマネ資格を取得した後、その先に施設長・管理職までキャリアを広げる可能性を考えたい方は、ケアマネから施設長へのキャリアパス|必要なスキル・資格要件・転職時の確認点も参考にしてください。

参考にした主な資料

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